選択の痕跡

音楽・テクノロジー・哲学

2019年"下半期"要注目のアーティスト10選

2019年の要注目アーティストは以下記事で書きました。
ここで言及したいくつかのアーティストの上期の動きを簡単に書くと、10月にニューアルバムをリリース予定のofficial髭男dismは完全に勢いに乗って紅白まで届きそうですし、NOT WONKは最新アルバムが絶賛されているし、Suspended 4thはPIZZA OF DEATHからのリリースが決まっています

shogomusic.hatenablog.com

ほかのアーティストももちろん注目ですが、半年経って、ここに追加して注目すべきアーティストが多く出てきたので、簡単なコメントと共に、まとめておきます。

 

1:Mrs. GREEN APPLE

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まずは、既にかなりの人気を得ている、この5人組ロックバンド。
楽曲センスは文句なし。その楽曲の質の高さ、幅の広さは、関ジャムにて蔦谷好位置に言及されるほどで、ただの邦ロックバンドではないことは証明済み。
上期にリリースした「How-to」からは、ミセスが持つEDMの要素も散りばめながら、壮大な展開を見せる傑作。
10月にアルバムリリース予定とのことなので、髭男と同様、紅白まで届くかに注目。

2:ずっと真夜中でいいのに。

いまだにどういうグループだか良くわからない「ずっと真夜中でいいのに。」。
ただ、その音が、今の邦ロックバンドの音の一段上を行っている新世代のものになっていることは確か。
「マイノリティ脈絡」は、この記事でも言及されている通り、これまでの邦ロックバンドの高速4つ打ちを始め、日本のラップやエレクトロをごちゃ混ぜにして、表現しなおされている。
2018年に活動開始だそうだが、今年にはZeppツアーを開催するまでであり、その勢いはとどまることを知らない。
完全に次の邦楽ロックの音を鳴らしているグループであることに、疑いはないだろう。

3:Orangeade

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このバンドについて、語るだけの知識を自分は持っていない。
聴ける音源も少ないが、ただ、ポップバンドとしてのポテンシャルを、感覚的にめちゃくちゃ感じる。
曲を聴いて、以下の記事を読めば、そのことが分かっていただけると思う。

mikiki.tokyo.jp

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4:Kan Sano

今更取り上げることもないかもしれない、日本のキーボーディスト、トラックメイカー、プロデューサー、SSW、なんでもできるKan Sanoをあえて。
その実力は、まさしく折り紙付き。(origami PRODUCTIONS所属だからってわけじゃないですよ)
上期にリリースした「Ghost Notes」は、長く深く聴ける名盤となった。
まだまだ、その実力と注目度が釣り合っていない印象だが、SKY-HIの言う通り、いつ一気に世間に浸透してもおかしくないアーティストだ。

5:black midi

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唯一の海外のバンドを。今最も熱いバンドの一つだろうから、このバンドを入れないわけにはいかない。
上期にリリースしたアルバムは、もちろん最大級の賛辞。
まだまだ、謎に包まれた部分は多いが、日本にもライブに来てくれるので、そこでこのバンドについて、さらに多くが語られることになるだろう。

今のところ、2019年はビリーアイリッシュの年だったと言えるかもしれない。
しかし、下期の活躍次第では、世界的にも、もちろん日本でも、「2019年はblack midiの年だった」と言われるほど、話題を掻っ攫う可能性も全くあり得ない話ではないのではないか。

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6:lyrical school

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この度再メジャーデビューを果たしたヒップホップアイドルグループ、通称リリスク。
"再メジャーデビュー"というワード辺りからも、色々あったことは分かると思うが、そういう細かいことは置いておこう。
その楽曲の質の高さは、一切の文句がない。
SUSHIBOYSプロデュースの「シャープペンシル」は、まさしくリリスクだからこそ出来る曲だし、彼女たちだからこそ、伝わるものがある楽曲に仕上がっていて、大好きだ。
新曲「LAST DANCE」も素晴らしかったし、"彼女たちにしか出来ないヒップホップ"で、アイドルシーンでもなく、ヒップホップシーンでもなく、もっと大きな日本の音楽シーンを暴れまわってほしい。

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7:桜エビ~ず

2018年のアイドル楽曲大賞の結果からも分かる通り、その楽曲がすでに高い評価を受けているスターダストプロモーション所属の6人組アイドルグループ。
12ヶ月連続リリースを行い、名曲を連発したわけだが、8月にアルバムも出るそうなので、これを機にその名が一気に広がりそうだ。
リリスク同様、こういう質の高い楽曲を出し続けているアイドルグループがしっかり評価されるように、応援していきたいところである。

8:MON/KU

9:松木美定

10:浦上・想起

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最後は、失礼かもしれないが、あえてこの3人のアーティストをまとめて。
この記事を読んでいただいている方なら、既にご存じかもしれないが、今年の話題を攫う可能性を十分持つSSW達だ。
3名とも最近音源を公開しだしたとのことだが、一聴してそうとは思えない、その音楽に、度肝を抜かれている人が多いはず。
MON/KUはその音の鋭さと深さが研ぎ澄まされているし、松木美定はシンプルな楽器構成で温かみのある音が心地よいし、浦上・想起はポップスの新たな形を見せている。
彼らはみな、下期にリリースがあることに違いはないだろう。

また、彼らが実際に交流をしているというところも見逃せないポイントだ。
そういう点も含めて、この3名に限らず、今、日本のSSW界隈はかなり盛り上がっており、音楽シーンに明らかに新たな潮流を生み出し始めている。

こういう"いま"を感じさせるアーティスト達が、もし、2019年に音楽シーンの常識をひっくり返すことになれば、こんなに面白いことはない。

事実は小説より奇なり。想像を超える音楽と、その音楽を取り巻く展開を、下期も楽しみにしている。