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lyrical schoolと転職

2022/7/6 0:00に、lyrical school(以降リリスク)現体制最後のMV「LAST SCENE」が公開された。

ヘッズ(リリスクファンの呼称)から集めた大量のチェキをもとに、プロデューサーのキムヤスヒロがメインとなって創り上げたこのMVは、単なるファンアートの次元を越えて、作り手と受け手が混ざり合った作品となっている。
まぁ、御託はさておき、必見なので、まだ観ていない方は、以下をどうぞ。(この作品についての感想などは別場で。)
私は、ここ2年ほどずっと、今最も面白い"チーム"はリリスクだと思っているが、 その"チーム"の渾身の作品になっていることは間違いない。

www.youtube.com


さて、リリスクは4/12に公表した通り、7/24に、これまで目標としてきた野音でのステージを最後として、現体制を終える。
hime、 hinako、risano、yuuの4名はグループを卒業となり、minanは次のリリスクを創っていくことが発表されている。
この発表に伴い、こんなことも書いたが、残すライブも野音のみとなった現在、現体制終了のリアリティが少しずつ増してきている。

私自身、それほど長い期間ではないし、それこそチェキだったり、どう考えても最高に違いないバスツアーへの参加のような分かりやすい形での応援行動はほとんどしてこなかった。しかしそれでも、リリスクのファンダムの一員として、一抹の寂しさを日々感じている。
しかし、それ以上に感じているのは、次のステージへとチャレンジしようとする5人の姿勢への尊敬だ。それぞれが決して後ろ向きではなく、かつ画一的でない、自分自身の未来を思い描きながら、人生を切り拓いていこうとするその姿勢は、本当に素晴らしいと感じている。

だからこそ、彼女たちの姿勢を、自分自身の生活の中にも食い込ませたい。そう思った。
宇佐見りん『推し、燃ゆ』を挙げるまでもないだろうが、表に立つ人々、とりわけ"アイドル"と呼ばれる人たちの影響力はとてつもなく大きい。多くの人の生活を変えうる力を持っている。良し悪しの議論は置いておいて、そこに魅力があることは間違いないだろう。
そう考えた時に、リリスクのファンダムとして、自分自身の生活の中に、リリスクがいたこと、そのことを刻みたい、刻むべきだろう。そして、それこそが自分が出来る一つの感謝の行動なのではないか。そんなことを思ったわけだ。

で、結局どうしたか。
もちろん決してこれだけの理由ではない。けれども今回の話がなければ、最後の一押しが足りなかったかもしれない。そう感じているが、転職活動を本格的を行い、奇しくも「LAST SCENE」のMVが公開された本日、内定に至ったのであった。
全く持って責任転嫁をするつもりはないが、リリスクが、確実に自分の人生を一歩先の未来に導いてくれたことは間違いない。その一点を取り出すだけでもリリスクには感謝しかない。
初めての転職となるため、不安も大きい。けれどもリリスクが歌うように、「一寸先は案外なんも無い」の精神で、日々を過ごしていきたい。


体制変更に伴う言葉の中でも、MV「LAST SCENE」公開後のキムヤスヒロとのインスタライブでも、minanは、まだまだこの5人でヒットをかますこと、バズることを諦めていないことを語っている。
万が一、まだリリスクとの接点がない方がこれを読んでくれているのであれば、今からでもまだ間に合う。リリスクに興味を持った方は楽曲や映像がたくさん転がっているので、是非色々観てみてほしい。それだけでも十分魅力は伝わるはず。
そして、7/24の野音は、出来れば現地で、難しければおそらくあるだろう配信で、一緒にチームリリスクの現体制「最後」を見届けよう。そのためにも、再びきな臭くなりつつ状況がおさまって、無事にライブが開催されることを祈る。

そういえば、現体制と共にあったと言っても良い、「LAST SCENE」の楽曲提供者の大久保潤也が、この楽曲についてnoteに書いている。

note.com

ここで、「LAST」へのこだわりが語られている。「LAST」には「続く」という意味があり、それはつまり、決して「終わり」ではない、「最後」なのだと。
7/24の野音は、リリスク現体制の「終わり」ではなく、「最後」である。ここから、卒業する4人も、残る1人も、それを支えるスタッフも、それを見届けるファンも、次の"今"へと続いていく。有り体な言葉で言えば、そこは新たなスタートでしかない。そう考えると、なおさら「愛とかピース」の精神で、笑顔で、見届けたいものだ。