選択の痕跡

音楽・テクノロジー・哲学

2019.4 Monthly Music Log

2019年4月の音楽系ニュースや出来事等から、考えたことを残しておきます。 

 

4月12日(金)〜14日(日)、4月19日(金)〜21日(日)の2週に渡り、コーチェラ・フェスティバルが今年も開催された。ラインナップの豪華さとストリーミング配信により、日本でも多いに盛り上がったように思う。
自分は、BLACKPINKを少しとビリー・アイリッシュを見ることが出来た。
BLACKPINKについては、様々な記事が書かれているように圧巻のステージだった。
ライブパフォーマンスは初めて観たのだが、ここまでカッコ良いとは。。。
サマソニで観るのがとにかく楽しみになった。
ビリー・アイリッシュについても、今観るべきアーティストであることを証明する、素晴らしい空気感に溢れたパフォーマンスだった。
既に完成されたように思える、21世紀生まれのアーティストとして、全米チャート1位に輝く初の快挙を成し遂げた彼女が、今後何を魅せてくれるのか、楽しみだ。

realsound.jp
そしてもう一つ、触れておかなければいけないのは今年日本から唯一の参加となったPerfumeについてだろう。
各所で様々な議論がなされており、詳細な内容は他所の良質な記事があるため、引用のみとしたいと思うが、同じアジアのガールズグループBLACKPINKの衝撃も相まって、彼女たちへの期待も高かったように思える。
しかし、まだまだ世界的な人気を得ているとまでは言えないのが現実。
日本においても、Perfumeを超えるガールズグループがまだまだ出てこない中で、今回の経験を糧にし、もっともっとシーンが活性化してほしい。
そして、ガールズグループに限らずにコーチェラで、日本の音楽が響き渡る日を楽しみにしたい。

face.hateblo.jp

tkito.hatenablog.com

senotic.hatenablog.com

 

  • 音楽性を変えてまで挑戦するアーティスト達

以下の記事でも触れられているが、江沼郁弥が面白い。

realsound.jp

正直plentyはほとんどちゃんと聴いたことがないのだが、少し聴くだけでもロックバンド「plenty」と、ソロアーティスト「江沼郁弥」のアプローチの違いは明らかだろう。

アプローチが変わったアーティストという観点で見ると、最近のバンドで最初に思い出されるのは、Suchmosだろう。
最新アルバムでは、明らかに今までの彼らとは違う音を鳴らしている。
自ら、"変わらずにいるために、変わりつづける"と宣言する彼ら。

このような音楽性の変化については、必ずしもポジティブな見方をされるとは限らない。
それはファン視点からもそうだし、商業的視点からもそうだろう。
そうやって、いつの間にかシーンから消えていくアーティスト達もいる。

しかし自分はそういうアーティストを応援したい。
もちろん信念の持ち続けて、積み重ねていくことの難しさと素晴らしさも理解している。
それでも、変わることに挑戦し、これまでの以上の驚きを与えようという心意気のアーティストが好きだし、そういうアーティストがもっともっと増えてほしい。

その意味で、最近の「avengers in sci-fi」はめちゃくちゃ面白い。

www.youtube.com

彼らは、ダンスロックの枠組みで語られることが多かったと思うが、最近の曲では明らかにハウスへの拘りを見せている。
もはや生楽器も弾いていない状況で、大きな変化だと思うが、曲としては非常に面白いし、個人的にもとても好きだ。
Youtubeの再生数など見ても、この路線が必ずしもファンに受けているのかは分からない。
でもこのような、今までの音楽性から一歩先の世界を魅せてくれるような挑戦を、自分は応援する立場でいたいと思っている。

 

  • エドシーラン、どこでそんなに聴かれているの?問題

時折話題に上がるこの話。

日本のストリーミングチャートでは、ずっと同じ曲がチャートインしている。(他の国も同じなのだろうか?)
特に、「Shape of You」が未だにチャートインしているのは大きな謎である。
どうやら、「Shape of You」のMVがYoutubeに公開されたのは、2017/1/30。
公開されてから、2年以上経った今でも、日本中で聴かれ続けているとは驚きである。

amass.jp

もちろん良い曲だが、正直なところ、自分自身もそこまで聴いた曲ではないし、身の回りでも流れている印象が薄い。
そう考えると、一体どこでそんなに流れているのかが、とても気になる。
もちろん自分の身の回りが全てではないのは、当たり前の話なのだが、これだけチャートインするということは、どこかでたまたま聴かれたというレベルでは済まないはずだ。
日本の音楽シーンの分析という観点でも、意味のある分析ではないだろうか。
是非、解明してほしいものだ。 

 

  • ミュージシャンや曲の表記問題

こちらも時折話題に上がる問題。

wasteofpops.hatenablog.com

これまでは、CDショップで探しずらいじゃないか程度の話だったかもしれない。
しかし、デジタル化の波に伴い、さらに問題が深刻化してきているように思える。
特に下記のツイートは衝撃である。

もはや、プラットフォームの都合で、表現の幅が狭められていると言っても過言ではないだろう。
確かにプラットフォーム側からすれば、コンテンツの管理の都合から、出来るだけ統一化したいという気持ちは、分からないでもない。
しかし、これでは本末転倒だろう。

この件については、テクノロジーでなんとか出来ないものかと、個人的には思っている。
翻訳のような、自然言語処理の技術を利用すれば、少なくとも検索する際には、利用側はどんな言語で入力しても、プラットフォーム側でうまい具合に変換して処理して、候補を提案する等はできるはずだ。
どこかで観たが、海外のユーザでは、日本語入力する手段を持っていないことがあり、邦楽曲をうまく検索できない等もあるらしい。

こういった課題を解決できるのがテクノロジーだと思っている。
権利の問題もあるだろうが、なんとか良い方法が見つかってほしい。
それが世界的な音楽シーンの活性化にも繋がるはずだ。
というか、音楽が、管理の都合で制限されるなんてあってはいけないと思うのだ。