選択の痕跡

音楽・テクノロジー・哲学

2022.10 Monthly Best Songs

2022年10月に良かった音楽をまとめました。順不同で良い感じに並べています。
これ書いているのは12月なので、もう年間ベストの季節とは、、、

  • Songs

Official髭男dism「Subtitle」

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ヒゲダンの新譜は、ドラマ『silent』の主題歌とした書き下ろされたもの。
最初聴いた時は、なぜこのイントロからこういう音の乗せ方になるのか全然分からなかったのだが、全体を通して俯瞰してみれば、展開はJPOPのそれではある。
それでも、随所に散りばめられた、低音などの音色の面白さが際立つのが、このバンドの凄みなのだろう。
彼らの音楽は、自分以外の耳でどう聴こえているのだろうか。あまりにも色々な鳴り方をしていて(それでいてバランスが取れているのが謎であり、驚きしかないのだが)、どう受容されているのか、全然分からない。
それでも、JPOPが押し広げられ続けているのは確かであり、その極致はいまだにさっぱりと見えない。

realsound.jp <コラム>Official髭男dism「Subtitle」は20年代のJ-POPを代表するウインターバラードに

Ado「行方知れず」

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椎名林檎が作詞・作編曲を手がけた一曲だけあって、その記名性が感じられるが、音の歪みがAdoの声質とあっていて、迫力がある。らしいがなり声が存分に炸裂しているのも、気持ちいい。
随分と後ろの音の存在感が強い気はするのだが、それに負けないボーカルの強さは本当に稀有だなと改めて感じる。
終盤のベースとワウの暴れ方もめちゃくちゃ良い。

tokion.jp

aiko「果てしない二人」

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ヒゲダンもAdoもびっくりするようなメロディを歌うわけだが、aikoも凄まじいなと思った曲。
最初聴いたときには、メロディの行く先に終始予測を裏切られて、愕然とした。
ちゃんと追いかけないとすぐに置いていかれてしまう、大胆なメロディラインでありながら、耳当たりは十二分に優しいのが、本当によくやるわ、、、という感想ばかりが出てくる。
Twitterでも話題だった、トオミヨウがアレンジしたカップリング曲「号泣中」も非常に良き。

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tonun「Sugar Magic」

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注目のSSWには、正直これまであまりハマっていなかったのだが、これは良い。
分かりやすく今のシティポップ然としていると思うが、特に、色気のある声色とフロウに、派手目な音で惜しげもなく前面に出てくるブラスとバッチリ合っている点が、気に入った。

realsound.jp

Young Kee「Bad Memory」

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注目のSSWの1stアルバムは、正直全体を通して、驚きがあるような作品ではなかった。
しかし、そうであっても自分がここまですんなりと聴けるのかという驚きがあった。そういう作品だった。
ここまで真正面にポップスをやっているアーティストって、あまり思いつかないような気がする。それでいて、明らかな記名性を音楽を鳴らすところに、このアーティストの真髄を感じる。
Young Keeが、ここからどうなるのか、全く読めないのだが、どうなっても何もおかしくない。

sooogood!「シュガープレイバック」

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sooogood!の新曲は、左右でさまざまに鳴るシンセの音色が面白すぎる。
特にフックのシンセはめちゃくちゃ良い。なんていうか、こういう"粗く"鳴るシンセって珍しい気がする。今はほとんど聴くこともなくなったラジオのノイズのようにも聴こえてきて、面白い。
そういったシンセの音色が、楽曲に一癖も二癖も味を加えている楽曲だ。

Snail's House「Restart!」

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最近毎回登場している気がするが、いつも通りにシンセが炸裂。
イントロから煌びやかに鳴る音々に心が揺さぶられながら、極めつけに、サビとしてなるメロディラインのエモさったら。
主旋律がこのサビ以外にあまりないからこそに、とんでもなく際立つ、その情緒。
歌うように鳴るメロディを飛び越えて、終盤ではまさに"歌う"のも◎。

MAISONdes, ツミキ, 花譜「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」

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アニメ『うる星やつら』のエンディングテーマとして、ボカロP・ツミキの楽曲をバーチャルシンガーの花譜が歌った一曲なのだが、ビックリした。
トラックもリズムもボーカリゼーションもメロディもフロウも、何かもがぴったりハマっているように思える。
一瞬たりとも気が抜けないほどの完成度と濃度にくらくらしたりもするのだが、それでも身体は動いてしまうのが、楽曲の力か。

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ばってん少女隊「さがしもの」

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九州出身の6人組アイドルグループの新アルバムは、クリエイター陣が物凄い。そして実際に聴いてみて、まさに期待通りの鳴りをしていた。
中でも、ケンモチヒデフミプロデュースのこの曲は、抜群。
イントロからストリングスの音は一瞬で耳に残って面白いし、サビの中毒性からのドロップったらない。遊び心満載で、アイドルポップスとしても最高なので、全方位隙がない。
最近、アイドル界隈から本気で"狙っている"作品が次から次へと出ていて、頼もしい限り。

battengirls.com

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パスピエ「浮遊層」

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最近のパスピエ、覚醒してないか?
なんだ、この暴れるベースは。そして、ベースに呼応するように駆け抜けるドラム。シンプルに良すぎる。
このリズム隊を、ふわりとした質感で、それでいながらハッとさせるような言葉を散りばめて、ばっちりパッケージングする。そんなことが出来るのは、このバンドしかいないのでは。

理芽「インナアチャイルド」

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バーチャルシンガーの理芽を、作詞作曲編曲で笹川真生が支えるという盤石の座組。
この、今にも壊れそうな、ギリギリの音像が、非常にらしい。
サビのボーカルにかけられた、薄っすらとプリズマイザーのようなエフェクトが、曲の雰囲気にピッタリで面白い。

yumegiwa last girl「愛の衛星」

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この記事で知った6人組アイドルグループの楽曲。
グループ名が最高じゃんという感じなのだが、メンバーの夢際りんがSUPERCARが好きであることからこの名前になったとのことで、輪をかけて最高じゃん。

この楽曲には、その絶妙な心地よさにやられた。音に余裕があって、非常にメロウで、テンポ感も抜群。
ドリーミーのさじ加減も、グループ名にもぴったりで、そうやって漂ってきた先の終盤のギターソロは、感情がこもっていて素晴らしい。
正直なところ、アルバムはまだちゃんと聴けていないのだが、いくつか聴いただけでも、ギターが立っているバンドサウンドがめっちゃ良い気がする。最近かなり気になるグループだ。

realsound.jp

mikiki.tokyo.jp

浅井杜人, GREEN ROMANCE「BAD END」

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浅井杜人の臨場感ある声が良すぎる。けだるい発声だが、言葉に力が宿っている。
フィーチャリングのGREEN ROMANCEも、全然知らなかったのだが、めちゃくちゃ良い。
畳み掛けるフロウでもしっかり届く言葉に、二人の個性的な声が相まって、持っていかれる。

STUTS「Expressions (feat. Daichi Yamamoto, Campanella, Ryugo Ishida, 北里彰久, SANTAWORLDVIEW, NENE, 仙人掌, 鎮座DOPENESS)」

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STUTSの新譜からはあまりにも豪華なマイクリレーを。この個性が、よくこうもまとまるもんだとただただ感心してしまう。

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Mori Calliope「I’m Greedy」

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このVTuberラッパーについては知っていたつもりだったのだが、この曲はJP THE WAVYプロデュースということで、そこまでシーンに食い込んでいるとまでは知らなかった。面白い動きが色々あるものだ。
シンプルにラップがカッコ良すぎるし、英詩のフロウは特に切れ味がヤバすぎる。
この「死神ラッパー」、目が離せないことをしっかり認識した。

RYUTist, 君島大空 「朝の惑星」

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これを書いている時には、すでにアルバムが出ているし、ライブも観に行ったのだが、まずは先行シングルとして取り扱おう。
新潟の4人組アイドルは過去にも君島大空プロデュースの曲があるが、またしても呼んでしまうとは、呼べてしまうとは。
イントロから、君島大空節が炸裂しているわけで、景色が目に浮かぶような音が溢れている。
サビへ流れ込む時の瞬間のテンポ感や、そこから一瞬リズムが変わるワンポイントの展開に痺れるし、溢れていた音が消えて歌だけになるCメロは鳥肌もの。
RYUTistの4人も、よくこんな変な曲についていけるものだと思うし、終わり方の潔さ含めて、凄まじい完成度だ。

natalie.mu

DYGL「I Wish I Could Feel」

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DYGLの新曲には衝撃を受けた。大名曲ではないか。
6分弱あるからこそできる展開の持って行き方に、そうくるのかよ!と二回も叫んでしまった。
2分すぎから、ようやく入ってくるドラム。4分過ぎからシューゲの様相を見せながらかき鳴らすギター。散りばめられた鳥の鳴き声などが環境音。
正直これまであまりピンと来てなかったのだが、明らかにモードが変わったのでは。ボーカルにエフェクトかけるのも、このバンドにあっては意外だが、面白い。
正直、ここまでデカい楽曲を鳴らせるバンドだとは思っていなかった。新たなDYGLは見逃せない。

ormtokyo.com