2020年に読んだ本の中で、特に面白かった10冊を選んでみました。あまり本は読めなかったのですが、こうしてみると、結構面白い本多かったなと思っています。
世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学/近内悠太
この本が最も面白かったかもしれません。書いてあることを細かく見ると、よくわからない箇所や納得できない箇所はたくさんあったのですが、"贈与を受け取ることに、価値を見出す"もしくは、"贈与を受け取ることから、世界を捉えなおす"という根幹の考え方は、ギブすることこそ正義であり義務だみたいに感じてしまう最近の風潮に食傷気味の自分には、非常に勇気をもらえる内容でした。
遅いインターネット/宇野 常寛
非常に現実的に社会を見て、そこに対する提案がなされていて、面白かったです。確かに諦めたくないことはたくさんありますが、現実的にはここが落としどころなんだろうと思いました。
積読こそが完全な読書術である/永田 希
"積読"という、普通に捉えればネガティブな印象を受ける言葉・行為について、その印象を180度転回させる取り組みに痺れました。積極的に積読していきます。
わかりやすさの罪/武田 砂鉄
常日頃から課題意識のあった"わかりやすさ"について、改めて考える良いきっかけになりました。
人新世の「資本論」/斎藤幸平
この本は面白いと思うのですが、ハイライトはこの本を読み終わった後に読んだ、Amazonレビューでした。まさしくと思いました。
ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる/東 浩紀
東 浩紀の本はほとんど読んだことがなかったのですが、地に足ついた内容がとても刺さりました。今のルールとは別のルールを見出さなければという自分の課題意識に対して、的確な一つの回答例が得られました。
全然2020年の本ではないですが、DXの絡みで名前も出てきたので、ようやく読みました。今の時代にやってることは、この時に議論されていることから大して変わってないなということを痛感しました。
去年の年始に読んだミステリ小説ですが、事前情報なしで読んだら、まさかの展開でビビりました。めちゃくちゃ面白かったです。
三体Ⅱ 黒暗森林(上)(下)/劉 慈欣
三体は量も多いし、内容も一見難しいものが多いけれど、そんなに深く考えなくても、少年漫画みたいに、常にワクワクしながら読み進められます。ここから最終巻でどうなるのか楽しみすぎる。
若干反則な気もしますが、最後は漫画。なんか色々しんどい1年でしたが、人気らしいということで読んでみたこの漫画、最高でした。絵のタッチも内容も、とにかく優しさを感じました。シリアスな展開も若干あるものの、そこもコメディ含めた優しさで丸め込んでしまうあたり、そんなうまくいくことは現実ではないけれど、漫画だからこれで良いんだよなと、ほっと一安心します。最後はどうなるのかという不安はあるけれど、一つひとつの出来事から感じるこのハートフルさ、めちゃくちゃ癒しです。