選択の痕跡

音楽・テクノロジー・哲学

2020.11 Monthly Best Songs

2020年11月にリリースされた曲・アルバム/EPから特に良かった10曲を選びました。
あまり時間がなく、簡略版です。

  • Songs


10:ずっと真夜中でいいのに。「勘ぐれい」

ずとまよの新曲。おそらく造語の意味深なタイトルも気になるが、ベースがめちゃくちゃ前面に出ていて、曲の軸となる役割を担っているように聴こえるのが印象的。ギターソロではなくて、ベースソロだし。
それにしても、ACAねのボーカルの安定感が凄すぎる。

9:ANIMAL HACK & EASTOKLAB「ICE RED」

ANIMAL HACKとEASTOKLABの共作。EASTOKLABのドリーミー感が、ANIMAL HACKのエレクトロな質感と相まって、最高に心地よい音の鳴り方になっている。
特に、空に突き抜けるかのような爽快感をもたらすフックが、耳に強く残る。

8:高井息吹「サリュ・ピエロ」

新井和輝(King Gnu)、君島大空が共同制作およびプロデュースを担った、高井息吹の新作。
声の発し方がとても個性的でいいなと思うシンガーだが、この曲は、フックにおける、何とも言えない、ちょっと"ずれた"グルーヴ感に驚いた。ライブならまだしも、音源でここまで表現できるとは。
この心地悪さと心地良さのギリギリを狙ったかのようなプロダクション、めっちゃ攻めているなと思う。もちろんそれは、最高の心地よさという結果となっているわけで、凄い。

www.cinra.net

7:崎山蒼志「Samidare」

メジャーデビューに合わせて、自身の楽曲をバンドアレンジするシリーズの第一弾。
ピアノに宗本康兵、ベースにマーティ・ホロベック、ドラムに石若駿という盤石の布陣で、原曲とはまた違った顔を見せてくれる。
特に、3:04~からの石若駿のバスドラムのテンポ感に痺れた。

6:環ROY「life」

環ROYの最新作は、すべて自作のビートで構成したという意欲作。
この曲は、ラップとトラックがお互いをドライブしてるかのような一体感と勢いがある。これこそ自作のビートのなせる業なのかもしれない。
終盤の展開は、圧巻。

fnmnl.tv

5:syudou「必死」

ボカロPの新作のラストナンバー。ボーナストラック的な位置づけで、自らの歌を乗せた1曲。
これがトラップ要素の強い1曲であるが、何より"衝動感"が凄まじい。ここまで熱量が込めらていて、それがこちらまで伝わってくる曲は久しぶりに聴いた気がする。
2分弱で駆け抜ける曲に合わせて、暴れまわりたくなるような、そんな最高のショートチューン。

rollingstonejapan.com

music.fanplus.co.jp

4:Kan Sano「You and I」

Kan Sanoほど、都会の夜が似合うアーティストはいないだろう。
音の一つひとつがスタイリッシュで、それが次から次へと溢れ出てくる。無限に聴ける心地よさ。

3:lyrical school「FIVE SHOOTERS」

リリスクの新曲。アルバムも1/27に出るとのことだが、アルバムの期待感がますます高まる1曲。
5人のフロウの自由さは更にはじけるばかりだし、トラックの洗練さも研ぎ澄まされている。
やろうと思えばもっと色んなギミックを入れられるだろうが、あまり音をかぶせすぎに緩急をしっかりつけて、一つひとつの展開に立体感を感じさせるようなプロダクションに、今のリリスクへの自信が透けて見える。

2:eill「with U」

今年の頭にリリースされており、eillがダンス・アーティストGANMIとコラボし、PARKGOLFがプロデュースしていた1曲だが、eillの新譜に収録されていることで初めて聴いた。
eillの器用さには、前から目を見張るものがあったが、こういう"今"の音像に対して、HIPHOPっぽいフロウで乗るなんてこともできるのか!と心底驚いてしまった。
PARKGOLFの近未来感あふれるシンセサウンドが畳み掛けてくるトラックがもう素晴らしいわけだが、全編通して、抜群にトラックに乗りこなすeillのグルーヴは最高にクール。特にフックの3連符的フロウは、これしかないという説得力すらある。
また、GANMIがダンスパフォーマンスをしている動画も、曲とマッチしていて非常に良く、一見の価値ありだ。

www.youtube.com

1:君島大空「縫層」

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君島大空については、どこかでまとめて書きたいなぁ。彼の曲には、一瞬で世界が変わってしまうかのような危うさ、いやもしくは希望を、感じる。この肌触りは、他のアーティストでは味わえない。

  • Albums/EPs


Kan Sano「Susanna」

ちゃんと聴き込んでいるわけではないんだが、こういう音像も出来るのかと思った。それでもKan Sanoでしかないオリジナリティがある。

LUCKY TAPES「Blend」

時代に寄り添った、優しい音に仕上がっている。

環ROY「Anyways」

自作だからか、ビート的に面白い曲がたくさんある。

BTS「BE」

めちゃくちゃ好きというわけではないのだが、凄くクリティカルな音楽をやっているなという気はする。

JUNES K「SILENT RUNNING」

"今"のHIPHOPという感じ。シンプルにカッコよい。

eill「LOVE/LIKE/HATE」

良いシンガーだとは思っていたが、そういうレベルではないかもしれない。とにかくどんな曲でもeillの歌に出来る器用さを見せつけた今作。次のディーバは彼女ではないか。

君島大空「縫層」

君島大空しか勝たん。