選択の痕跡

音楽・テクノロジー・哲学

2019.3 Monthly Music Log

2019年3月の音楽系ニュースや出来事等から、考えたことを残しておきます。

 

  • yahyelからモンジョーこと杉本亘脱退

natalie.mu

yahyelからモンジョーこと杉本亘が脱退した。yahyelは4人体制で活動を継続するとのこと。

yahyelの音の中核を担うのは、モンジョーと聴いていたので、個人的には衝撃的だった。

当初は理由がわからなかったので心配したのだが、後日Twitterに脱退の理由が投稿されていた。

こればっかりは、本人次第のため、どうこう言うことはない。

今後のyahyelとDATSにより一層の期待をするだけだ。

特にDATSには大きな期待を寄せているだけに、最近のDATSには物足りないが正直なところ。

是非今回の一件を糧にして、両バンドとも、さらに素晴らしい音楽を聴かせてほしい。

 

miyearnzzlabo.com

小袋成彬がイギリスに移住してしまったらしい。

2月のラジオでの発表だったようだが、その後もイギリスから向こうでの生活についてなどを伝えている。

miyearnzzlabo.com

小袋成彬については、何の記事だったが忘れてしまったのだが、年末に読んだ記事で、2018年を振り返って思うことは?みたいに質問に対して、「日本に絶望した1年だった」というような趣旨の回答をしていたように記憶している。(記憶違いだったら大変申し訳ない。)

そんなこともあってお節介ながら、今後の活動を勝手に心配していたところで、イギリス移住の話を楽しそうに話す彼を見れたことがただ純粋に嬉しかった。

イギリスから是非面白い話や面白い音楽をたくさん届けてほしい。

 

  • Rega、活動再開とメンバーの脱退を発表

rega.jp

活動休止した最高のインストバンドRegaが帰ってくる。

ただし、ギターの四本 晶は脱退となった。

この4人の音は、インストバンドとは思えないほどキャッチでポップで、刺激的だ。

インストバンドなのに、音が歌っていると思ったのは、このバンドが最初だった。

最近はインストバンドの人気も上がってきているように思えるけど、その中でも個人的には一つ抜けた位置にいるのがRegaだ。

それだけにメンバーチェンジは残念な部分もあるが、是非四本さんには充実した人生を歩んでほしいし、3人のRegaはまた最高の音とライブを届けてほしい。

この曲は今でも、ふと聴きたくなる、最初から最後までひたすらに最高の曲だ。

お疲れさまでした。それもこれからも楽しみにしています。

www.youtube.com

 

  • InstagramはEDMだった? 写真フィルターから「エモ」を科学する」という記事を読んで

www.gizmodo.jp

音楽を絡めて、面白い観点だと思った記事を一つ。

「エモ」とはなんだろう?「エモい」と思うことは時折あるけど、未だに自分では言語化ができていない。

この問題は、結構多くの人が直面しているように思える。

柴那典さんも最近まさしく "「エモい」とは何か" という記事を書いていた。

blogos.com

紹介した記事の面白いところは、InstagramはEDMであるという視点を紹介し、そこからエモを絡めて話を展開させていく斬新な視点だ。

詳細は是非記事を読んでみていただきたいが、簡単に紹介する。

EDMとは踊らせるために構成と仕組みを明確にして分かりやすくした音楽であると定義すると、Instagramでよく使用されるフィルター加工でその写真で表現したいことをより目立たせるようにする=刺激量をコントロールすることと共通性があるように思える。

そうやって作り手の意図を付与することで、それを観た人は知らず知らずのうちに、作り手に感情移入してしまう。

そんな時に感じる感情こそ「エモ」でないか。

要約するとこんなところだろうか。

最後に、記事を引用する。あえて要約しなくても、この一文に筆者に書きたかったことが詰まっているかもしれない。

自分にとっての「エモ」とは何かを考える際の参考になる良い記事だった。

フィルターによって指向性をもった写真が溢れかえるInstagramは、さまざまな刺激のダイナミクスとエモエモプレッシャーが跋扈するEDMのようだなぁ

 

  • これからのライブハウスやクラブの形とは?

www.fnn.jp

www.cinra.net

ライブハウスやクラブというのは、比較的閉鎖的で、あまり昔から変わっていない構造を持っているような印象を持っているが、上記の2つ記事から、これからのライブハウスやクラブの形が垣間見ることが出来るように思える。

ポイントは記事でも言及されている通り、「デジタル化」だろう。

まずは決済から徐々に浸透していくだろうが、自分が考えているのはもう一方踏み込んだ内容である。

それは、ライブの観客のデータのデジタル化だ。

特にフェス等で、観客がどのアーティストを観ているのかをデータ化できれば、それはアーティスト側にとってマーケティングに有効活用できるデータになるのではないか。

どの程度の人数が集まっていたかはもちろん、同時間帯のアーティストの人の入りとの比較や、個人にフォーカスして、音楽の嗜好性を分析してどのような人にライブを観られているかの分析など、色々なことが出来る気がする。

個人データの取り扱いの問題や、内容の是非は置いておくとして、サブスク時代になって、単純な音楽視聴のデータのデジタル化は一気に進んでいく中で、ライブのデジタル化も今後一気に進んでいくだろうし、その中でうまく戦略を立てていくことでブレイクしていくアーティストも出てくるのは時間の問題だろう。

 

  • フックアップやAPPLE VINEGAR -Music Award- について

昨年は、TempalayをBTSのRMがフックアップしたことが話題になったが、ここ最近面白いフックアップがたくさん起きた気がする。

 

自分の知っている範囲だと、MON/KUとDos MonosはTHE NOVEMBERSに、浦上・ケビン・ファミリーはくるりにそれぞれ言及されていた。

こういうフックアップは本当に面白いし、どんどん起きてほしい。

そんな中、アジカンのゴッチが2018年に若手ミュージシャンを応援したいという思いから始めたという『APPLE VINEGAR -Music Award- 』の2019年の結果が発表された。

www.applevinegarmusicaward.com

ミュージシャン目線での音楽について語る座談会には、他にはない面白さが詰まっている。

最近の新進気鋭のSSWが次から次へと出てくる状況もそうだが、自分がまだ見ぬ素晴らしいアーティストはいっぱいいるし、そういうアーティストを知る機会がもっと欲しいと思っている。

こういうフックアップやAPPLE VINEGAR のような面白い取り組みがもっと進んでいけば、業界の活性化にも繋がることに違いはないだろう。

是非業界の方は、もっと積極的に情報発信してほしいと思う。