選択の痕跡

音楽・テクノロジー・哲学

"SYNCHRONICITY"は、日本が誇る音楽フェスだと思った話

4/6,7で『SYNCHRONICITY'19』に参加してきたので、そのことを書いておきたい。

synchronicity.tv
 

初めてこのフェスを知ったのはいつだっただろうか。
フェス自体は2005年から始まったらしいが、おそらく自分は2014年ごろから参加するようになった気がする。
毎年春は、このフェスに参加するのが恒例になった。

渋谷のライブハウスでサーキット形式で開催されるSYNCHRONICITY。
今年初めて気づいたが、海外からのツアーもあったり、外国人の参加もちらほら見かけた。
また2日目には規制がかかる箇所も複数あったので、例年にも増して盛り上がったのかもしれない。
今年は大阪でも開催予定だったり、東京は過去最大級9会場・140組以上のアーティストの参加規模となるなど、少しずつ大きいフェスになっている。
規制がかかったものの、人の入りは適度で、非常に過ごしやすいフェスだ。

これだけのフェスなんだから、もっと来てもおかしくないだろとも思うが、逆にこれぐらいの動員のほうが参加する側としては混み過ぎずに見やすくてちょうどいい、
というジレンマがあるのは、申し訳ないところである。
 

そんなSYNCHRONICITYの魅力はなんだろうか?
それは
変わるSYNCHRONICITY」

変わらないSYNCHRONICITY」
ではないだろうか。 

「変わるSYNCHRONICITY」とは、ニューカマーのラインナップについてだ。
毎年毎年、ブレイク前夜のニューカマーを確実にブッキングしてくる先見の明は、他のどのフェスよりもずば抜けていると思う。

今年も、長谷川白紙やDos Monosといったまさしくこれからのニューカマーから、STUTSやKID FRESINO、SIRUPなどここから一般層へと一気にブレイクを果たしていきそうなアーティストをブッキングするなど、あまりに良いブッキング過ぎて、とにかくタイムテーブルが地獄だった。。。

参考までに、今後若手のフックアップの場として定着していきそうなアジカン・ゴッチ主催の「APPLE VINEGAR -Music Award- 」の2019年ノミネート作品のうち、『SYNCHRONICITY'19』に参加したアーティストがどれだけいるか見てみた。
すると、なんと、ノミネートされた12アーティストのうち、半分の6アーティストが参加していた。
スケジュールの都合で断られることもあるだろうに、これにはビックリだ。(※大阪開催を入れれば折坂悠太も含めて7アーティストになる)
以下である。

・“ài qíng”:KID FRESINO
・“Eutopia”:STUTS
・“MABOROSI WEEKEND”:AAAMYYY
・“Silence Will Speak”:GEZAN
・“なんて素晴らしき世界”:Tempalay
・“草木萌動”:長谷川白紙

www.applevinegarmusicaward.com
 

ちなみに、去年はKing Gnuもしっかり参加している辺り流石としか言いようがない。(話が若干逸れるが、2018年に渋谷O-nestでやっていたKing Gnuは、2019年はビバラロックのスターステージ、つまり埼玉スーパーアリーナの2万人の前で演奏するまでになった。1年でキャパ100倍である。。。)
こうやって毎年毎年、注目のアーティストをブッキングしてくる辺りが「変わるSYNCHRONICITY」だなと感じた。
 

「変わらないSYNCHRONICITY」とは、変わるアーティストの中でも、ここだけはというアーティストは必ず頻繁に出演していることだ。
分かりやすいのは、「渋さ知らズオーケストラ」。
辿れる限り過去のタイムテーブルを調べてみたところ、2013年以降、今年2019年開催分まで、全ての回で渋さ知らズオーケストラがトリを務めている。
ここまで一貫したフェスが他にあるだろうか。

他にもZAZEN BOYSやSOIL&"PIMP"SESSIONSなど、ベテランバンドは出演回数も多く、なんというか彼らは"シンクロニシティっぽい"雰囲気を作り出しているように思う。
また、ニューカマーであっても、インストからクラブ、邦ロックまで、ちゃんと"シンクロニシティっぽい"だなと感じさせる、現場で輝くアーティスト達がちゃんとブッキングしてくる辺りは、「変わらない」良さだなと思う。
 

「変わる」と「変わらない」。
この二つが絶妙に表現されたフェスこそ、「SYNCHRONICITY」だ。
日本が誇る音楽フェスの一つだと思うし、個人的には日本で最も刺激的で面白いフェス。
フジロックのように、数少ない、"フェスそのものに価値がある"音楽フェスだと思う。
 

今年のSYNCHRONICITYも非常に楽しませていただいた。
来年は15周年ということで、動員もアクトも、今年以上に素晴らしいフェスになるように応援したい。
 

以下、見つけた2013年以降のタイムテーブルの画像を貼っておく。 
これを観れば、以下に面白いブッキングをし続けているフェスかというのが一目瞭然だ。
 

■2019

f:id:shogomusic:20190506154825j:plain

f:id:shogomusic:20190506154834j:plain

 

■2018

f:id:shogomusic:20190506154814j:plain

 

■2017

f:id:shogomusic:20190506154736j:plain

 

■2016

f:id:shogomusic:20190506154847j:plain

 

■2015

f:id:shogomusic:20190506155339j:plain



■2014

f:id:shogomusic:20190506155246j:plain

 

■2013

f:id:shogomusic:20190506154733j:plain