2019年2月にリリースされた曲・アルバム、もしくは発表されたMVから特に良かった10曲を選びました。
おまけでアルバム単位で良かったものや、観たライブの感想なども書きましたので、良かったら是非。
■Songs
10:EMMA WHALIN「Make A Move」
Spotifyの「Early Noise 2019」に選出されたシンガーによる2ndシングル。
15歳らしい。。。どういう子供時代を送ったら15歳でSpotifyの「Early Noise 2019」に選ばれる人生になるのか。
EDM調に乗った、軽快なボーカルが心地よい。
ドロップでも上がりすぎずに、全体として落ち着いた雰囲気を作っているのがとても良いと思う。
9:The Chainsmokers ft. 5 Seconds of Summer「Who Do You Love」
チェインスモーカーズの2019年第一弾シングル。2019年はサマーソニックのヘッドライナーが決まっているので、やはり動向が気になってしまう。
最新作は、まさにサマソニのメインステージで鳴らしてほしい音だった。
これぞアンセムという曲で、野外で聴いたら最高に気持ちいいだろうし、このドロップへの流れは大合唱したい。
サマソニには行かざるをえないな。
8:sui sui duck「E memory」
2018年10月より12ヶ月連続のデジタル配信を実施している5人組バンド「sui sui duck」の新作。12ヶ月連続のデジタル配信第五弾となる。
正直に言って、とにかくびっくりした。
最近のsui sui duckはバキバキのエレクトロの雰囲気が最高にかっこいいなと思っていたところ、今回の曲ではまさかのブラス感やブラックミュージックも取り入れたような落ち着いた曲調。
こういう躍らせ方もできるとは思っていなかった。
こんなことまで出来るバンドだったとは。
今回の企画を始めてからのsui sui duckは、完全に覚醒している。
7:君島大空「遠視のコントラルト」
2019年注目のSSWのひとり、君島大空が3月リリースのミニアルバムからリード曲を先行リリース。
今作はあの石若駿が参加したことでも話題だが、早速名盤の予感。
崎山蒼志がフェイバリットとして上げているのも良く分かる。
この声と歌は一度聴いたら、逃れられない。
良いシンガーというのは、一聴しただけで誰の歌か分かるものだと思うが、彼もまさしくその類だ。
少しけだるさがあるような声と歪んだギターの相性がとても良いのに加えて、エモーショナルな歌は危うさを感じさせながら、深く"ここ"まで抉ってくる。
6:THE NOVEMBERS「Everything」
THE NOVEMBERS、3月リリース予定の新アルバムからの1曲。
イントロからアウトロまで、終始多幸感あふれる音とボーカルが、ドリーミーな雰囲気を作り出している。
個人的には、L'Arc-en-Cielの「NEO UNIVERSE」を思わせる音作りだった。
THE NOVEMBERSは、ラルクのカバーを出したりもしており、ラルクを敬愛しているとのことなので、意識している部分があるのかもしれない。
同じくアルバム収録曲の「DOWN TO HEAVEN」や「BAD DREAM」では、ドリーミーな雰囲気はあるものの、持ち味の鋭さや重さが感じられる音となっており、この振り幅は流石。
5:SKI-HI「New Verse -Remix- feat. eill」
この曲はSKY-HIの最新アルバム「JAPRISON」の収録曲「New Verse」のリミックスバージョンで、SSWのeillが参加している。
聴き逃していたが、そもそも原曲がまず良い。
SKY-HIのリリックは昔から大きく変わっていないと思うのだが、最近ライムやフロウにどんどんキレが増しており、凄みが出てきていると思う。
そこにeillのラップも自然に曲に溶け込んでおり、さらに曲が大きく化けている。
単純にトラックの音の鳴り方が好みというのもあるかもしれないが、最近のSKY-HIは面白い。今後どんなことをしてくるか、楽しみな存在だ。
MV観て気づいたが、「元・天才」も参加しているようなので、探してみると面白いかもしれない。
4:VaVa「Chapter」
2月にリリースされたVaVaの2ndアルバム “VVORLD"からの1曲。
VaVaのトラックとラップには、同世代ならばシンパシーを感じるだろう世代感みたいなものがある。
ゲーム音楽、オーケストラ、ヒップホップという異色の要素を絶妙に構成しており、他にはない高揚感を生み出している。
ところどころに散りばめられた日常的なキーワードは、彼の特徴であり、"過去を踏まえた今"を強く意識させる。
こんなパンチラインには耳を奪われざるを得ない。
修造松岡みたいに熱い日々よ
VaVaの曲には、どうしても自分を信じられなくなってしまう日々が多くなってしまう現代社会に必要な言葉や音がたくさん詰まっている。
そんなことを感じた1曲。
3:LOONA「Butterfly」
韓国のアイドルグループ「今月の少女(LOONA)」がリリースしたファースト・ミニ・アルバムのリード曲。
リリース後のバズり方は凄かった。このグループは全く知らなかったのが、色々な方がこぞって称賛していたため、聴いてみたところ、確かに凄い。
特にフックはめちゃくちゃ耳に残る。
音へのこだわりも強く感じ、これは今年を代表する1曲になるかもしれない。
ポップスも、ポストEDMも、HIPHOPも飲み込んだ、まさしく"次"の音が鳴っている曲だ。
2:iri「Shade」
iriの3月リリースの新アルバムから、大沢伸一プロデュースの表題曲。
完全に、iriのネクストレベルを切り開いた曲だろう。
これまではソウルフルに、メロウに、歌い上げる曲が多かったと思うが、よりHIPHOPに接近したような、洗練されたリリックとフロウが素晴らしい。
トラックは、多種多様な声や音が、重なりながら、かつ余白を生み出しながら、絶妙なバランスで配置されており、iriの歌と絡みながら、最高級の質感を作り出している。
アルバムでは、大沢伸一以外にもtofubeats・ケンモチヒデフミ・STUTS等、注目のトラックメイカーが参加する。
アートワークも非常に綺麗で、一体どんなアルバムになっているのか期待感が高まる、素晴らしい1曲だ。
1:King Gnu「白日」
King Gnuのドラマタイアップ付きの最新作。
この記事を書くまでは、1位にするつもりは全くなかった。
だが、MVを改めて観て、1位にせざるをえないなと感じた。
「白日」とは、辞書によると、
1 照り輝く太陽。
2 真昼。白昼。「白日の夢」
3 身が潔白であることのたとえ。「青天白日の身」
とある。
この曲はこれらを全て包含しているような世界観を表している気がする。
井口理のますます進化しているボーカルは、その世界観を見事に表現している。
特にイントロのメロディには恐れ入った。
また、今作はアートワークも、シンプルにめちゃくちゃかっこよいと思った。
最近のKing Gnuには正直あまり満足していなかった。
もっと刺々しく、凶暴だったKing Gnuが好きだったからだ。
ただ、今回の「白日」に関する常田大希のツイートで、合点がいった。
彼らは、"King Gnu流のレクイエム"を鳴らしている最中なのだ。
“白日” MV公開しました.https://t.co/Wt5c7NAgUw
— 常田大希 - Daiki Tsuneta (@DaikiTsuneta) March 1, 2019
去年は地元の友人が2人も立て続けに亡くなったりして生と死を強く意識した年になりました.最近の自分の作詞作曲にはその出来事の影響が強くあります. ずっと避けていた墓参りに行こうと思えたのはこの曲のお陰かもしれませんhttps://t.co/aLBgJRE0Rm pic.twitter.com/wymT3xH5Xy
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Playlist of Spotify
以上、Best Songsでした。
今回も例によって、あまり順位に意味はないですね。順位が上のほうが書きたいことが多かったというだけな気がします。
どの曲も何回も聴きたい、そんな曲達でした。
■Albums
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VaVa「VVORLD」
M2「Chapter」はもちろん、他の曲のクオリティも素晴らしかった。
M11「つよがりのゆくえ」もBest Songsに入れたかった出来栄え。
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LOONA「[X X]」
M1「X X」からM6「Where you at」まで、一瞬も気が抜けない衝撃の音が鳴っている。
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Higher Brothers「Five Stars」
88risingの要注目アーティスト、Higher Brothersの新アルバム。
ドープなHIPHOPが詰め込まれた濃厚な1枚。
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KOHH「UNTITLED」
突如リリースされたKOHHの新作。
KOHHの曲には、音源からでも感じ取れる強烈な熱量が込められている。
ONE OK ROCKのTakaを客演に招いたM3「I Want a Billion」や、この1枚の中でもとりわけ熱量が高いM10「ロープ」は必聴。
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dodo「UNTITLED」
川崎を拠点に活動するラッパーdodoのファーストアルバム。
KOHHとはまた違った方面へ熱量が込められている。
M6「important」では、恐ろしくなるほどの切迫感と信念を感じる。
■Lives
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2/17 sora tob sakana presents「天体の音楽会 Vol.2」 @ZEPP TOKYO
激アツイベントに来た pic.twitter.com/ahUBvBZUnj
— しょーご (@sho5_midday) February 17, 2019
激アツイベントだった。
今のPAELLAS はやはり最高だったし、JYOCHOはバカテクだったし、Tempalayはこの大きな会場を飲み込むほどの音を出していたし、DE DE MOUSEのDJも最高に盛り上がった。
そしてsora tob sakanaは、バックバンドがめちゃくちゃカッコよかったし、オサカナのメンバーもマスロックに乗って素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。3月リリースのアルバムも楽しみだ。
雰囲気も全体を通してとても良く、大満足のイベントだった。
ハイライトは、sora tob sakanaの「広告の街」。衝撃のマスロックだ。
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2/27 星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』@東京ドーム
星野源 @東京ドーム pic.twitter.com/Z84xHdUzKC
— しょーご (@sho5_midday) February 27, 2019
以下の記事に感想を書いた。
まさにスーパースターだった。
木(KI)を観に来た expop @渋谷o-nest pic.twitter.com/igRLIL0FqC
— しょーご (@sho5_midday) February 28, 2019
全5バンドともよかったが、とにかく木(KI)の衝撃が大きかった。
ライブ後に色々調べていて知ったが、元plentyの江沼郁弥のサポートもしているらしい。
今後、最も注目すべきバンドだ。
■+@
1月末にリリースされた音源で、聴き逃していたものがいくつかあったので、良かったものをまとめておく。
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Youmentbay「Night Radio」
耳なじみの良い音楽とは裏腹に、〈知識の要らない ただ身体が動く それだけが music〉というリリックが強烈だ。
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女王蜂「火炎(FIRE)」
EDM × フューチャーベース × HIPHOP × 和楽器 = 最高に刺激的でカッコよい音楽。
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BLACK BASS「LFP」
東京発の7人組アート・コレクティブ、BLACK BASSから。
音としては低音の鳴り方がめちゃくちゃ面白い。
映像と相まって、最高に踊れる曲になっている。
このアーティストも2019年、要注目だ。
最後に、2月に公開された最高のライブ映像を。
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STRPHENSMITH「手放せ」
「スロウタッチ」を標榜するスリーピースバンド、STEPHENSMITH(スティーヴン・スミス)のライブ音源。
こんなに色気のある音を出せるバンドはそう多くないだろう。
音数も削ぎに削がれているのに加え、ここまでスロウな曲は、自分達の音に相当な自信がある証拠だろう。
ああ、ライブが観てみたい。
以上、2019年2月に聴いた音楽のまとめでした。
3月もきっと良い音楽がたくさん聴けるでしょう。